農家生まれの文学少女。

最近ハマっているものことについて紹介していきます。

会える秋田美人、『あきた舞妓』を探して〝松下〟に行ってみた

 
前回のブログでご紹介した水野千夏さんが、秋田県千秋公園に佇む旧割烹料理屋さんをリノベーションして建てられた産業施設、『松下』に行ってきました。

 

 

 秋田駅から徒歩10分ほどのところにある大きな公園。季節によって表情をくるくる変えるその姿は秋田県民の心を掴んで離さない。毎年、GWになるころに、桜が満開を迎えて公園では桜祭りで賑わう。

 

千秋公園とは

久保田城の本丸・二の丸跡地に整備された。面積は16.29ha。名称は秋田市出身の漢学者狩野良知による命名(当初は「千秋園」)で、秋田の「秋」に長久の意の「千」を冠し、長い繁栄を祈ったものと伝えられる。

園内には緑が多く、復元された久保田城御隅櫓・本丸表門が藩政時代の雰囲気を今に伝えるほか、園内には秋田県民会館秋田市立中央図書館明徳館平野政吉美術館秋田市立佐竹史料館などがある。

また与次郎稲荷神社八幡秋田神社彌高神社などの神社も園内に所在する。

(wikipedia)

 

 

今回、私がこの公園に訪れたのはほかでもない、あきた舞妓がいるという『茶寮 松下』にいって水野さんの情報を少しでも多く吸収するためだ。

 

坂の下にひっそりと、でもどこか誇らしげに堂々と建つそれは昔ながらの風貌と現代的なデザインが融合された美しいカタチで一目見た瞬間に恋に落ちた…

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瓦屋根、ガラス張りのオープンな壁面に入口は引き戸。風情がある。
 
 
『松下』を訪れたのは、今年の1月5日。この日は雪はなかったものの生憎の雨。まだ真冬の時期だったので公園を半周しただけで身体は芯から冷え切っていた。
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中に入ってみると、丸ストーが置いてあった。
思わず『わあ、なつかしい…』と声を漏らしてしまう。
 
都会でエアコンの暖房の硬く刺さるような風ばかりを浴びていた私にとってその柔らかく包み込まれるような熱はとても気持ちがよく安心感があった。
 
 
店内を見渡すと、お店の一角に小さな図書館。 
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秋田の伝統や郷土料理に関する本や、カフェに関する本。
 
私の大好きなよしもとばななさんの本も置いてあったので、今度は朝一に来て1日中ここで過ごすのもありだな、と密かに心の中で計画を立てた。
 
 
お店には、スタッフの方が一人。
席数を見る限り、混んだら一人じゃ回すのが大変そうだな~と思いつつもこの寒い時期にわざわざ足を運ぶ物好きなんて私くらいなのかなとも思った。
 
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スタッフの方に話を伺うとこの部屋は昔、割烹の小厨房だった場所だそう。
 
カウンターも間接照明も全体的に木のぬくもりを感じる暖かい雰囲気。
木の香りが心地よく、副交感神経を刺激して癒してくれる。
 
 
 席に座り、メニューを覗く。
「わああッ…。」。思わず声が漏れる。
 
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なんと、これまた私の大好きな『猿田彦珈琲』さんの豆を使用していた。
 
秋田ではなかなか取り扱っているところなんて見ないし、
知名度も低いのに猿田彦さんの豆に目をつけられたのは
一度上京経験のある水野さんだからこそ成せるアイディア。
 
 
 
裏面にはモーニングセットの表記が。
飲み物付きで650円、これはお得ですね。今度は絶対早起きしてきたい。
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秋田の名産を使ったトーストを出しているみたい。どれも美味しそう…
 
 
この日の気温は-1℃。
 雪がちらほら降りはじめ、温かいものがすごく恋しくなった。
 
 
甘くて優しい味を身体が求めていたので
私→黒ごまラテ 母→抹茶ラテ を注文。
 
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黒ごまはほんのり甘くて優しい味。ゴマ特有の風味が鼻を通って幸せの香りが身体全体に染み渡る…
 
 母が頼んだ抹茶ラテも少し味見。甘さは思いのほか控えめで、かと言って苦すぎずくどくない味。抹茶の香りが口と鼻を包み込む…
 
 どちらもすごく美味しかった◎
 
母と他愛もない話で談笑して程なくして、
どうしても飲みたくなった猿田彦さんのコーヒーを頂くことに。
 
 私→シングルオリジンコーヒー(中浅煎り) をフレンチプレス
 母→松下ブレンド(中深煎り)をハンドドリップ
 
 
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 私の注文したフレンチプレスの方はミルクチョコのような茶色。ほどよい酸味がありフルーティーで飲みやすかった。
 
 ハンドドリップの方はビターチョコのような焦げ茶色。目が覚めるほどの苦みがつまっていた。
 
 うん、やっぱり美味しい。
 
外観や内装だけじゃなく豆にもこだわっていることに感動した私はカフェインの取り過ぎでお手洗いに行きたくなった。
 
扉を開けて廊下をまっすぐ行くとあるよ~と先に行った母から教えてもらってキョロキョロ探す。地元の公民館のような廊下。昔の写真がたくさん。
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川反芸者についての記述もあり、水野さんがどれだけ熱心にお勉強されて努力されていたかがひしひしと伝わってくる。
 
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秋田市の昔の写真。郊外も含む。
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これは…寺子屋?昔の学舎のことが書かれていました。
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隅から隅まで秋田を感じられる。こだわりの空間。 
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 気がついたら、見入ってしまってあれあたし何しに来たんだっけ?ああ、そうだ。お手洗探しに来たんだ。と、趣旨を忘れてまうしまつ…。
 
 改めてお手洗いを探す。  
 
…うわあ、優しい。
 
見つけた瞬間、水野さんの気遣いやおもてなしの精神がみえる工夫に感動した。
 
 
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高齢者や、ハンディキャップのある方にために創られたお手洗。きっと秋田の高齢者への優しさがあったからこそ設けたんだな、と。
 
 
トイレも広めのつくりになっていました。
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 きっと舞妓さんが着物のままでも用を足しやすいようにという思い遣りかな。
 
 
 
 
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 洗面台もきれい。水周りってどうしても冷たい感じになってしまうのに、木を使うことで温かさが溢れるね。飲食店の衛生管理はお手洗いに行くと顕著に現れるというけどその通りだなあ…
 
 
廊下を進むと、会社のロゴを発見。
折り鶴が赤い線で描かれている。
 
 
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このロゴにした理由気になる...
誰が考えたんだろう、素敵なデザイン。
 
水野さんに直接会えたらきいてみたいなあ、
 

www.akitamaiko.com

 
 さらに進むと、酒房と繋がっていた。
 
杉の香りと秋田県で作られた日本酒を嗜めるバーに。
 飲み比べもできるそう、うわあ魅力的。
 
 
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 酒房さんの外観はこんな感じ。
 
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 看板に営業時間が。
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 中の様子。
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あれ、釣り吉三平さんだ!
 
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人力車。
今は全く見ないですがいつか秋田でも走ったりするのかな。
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 そんな光景が見られたらうれしい。
 
 館内の案内を発見!
 
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なるほど。
あきた舞妓は2階の大広間で見られるんだ。予約すればよかったなあ。
 お弁当を食べながら見るなんて優雅。秋田美人との記念写真撮りたかった…
 
 
 想像してみてね、
 
朝、松下茶寮さんでコーヒーとトーストを食べながら秋田の魅力について本を読みふけ、
 
一休みに廊下の写真を見ながら昔の秋田ってこんなかんじだったのかと想いを馳せり、
 
 
 お昼には2階の大広間で『あきた舞妓』を見ながらお弁当を食べる。
 
 
お腹も目も満たされたところで、千秋公園をぐるっと1周散歩。
 
 
夕方、歩き疲れたところでまた松下茶寮さんで甘くて温かいラテを飲みながら、舞妓について、秋田について語り合い。
 
夜は松下酒房で秋田の美味しい日本酒を嗜みながら今日1日を振り返り、自然と笑みがこぼれるそんなのんびりとした素敵な一日。
 
この一つの施設と公園でできてしまうなんて…
 
 水野さん、あなたは天才なん・・・?
 

残念ながら、この日はあきた舞妓は出張中で会えず水野さん御本人とも面会することもできなかった。

 
 
でも、この一つの建物から感じられる水野さんの秋田への想い、強い信念、まっすぐで淀みの無い地域復興への活力。そんなものを感じることができた。
 
こんな素敵な場所をつくってくれた水野さんに感謝し、もっともっと県外の人に伝えるべきだと感じた。秋田に来ても何も無いよ〜と言っていた学生のころの私は秋田県民として恥ずかしい…
 
 
こんなに素敵なところがあるのに、知りもせず勝手な自分だけの思い込みで発言してたんだなあ。今なら胸を張って言える。
 
 
 秋田、素敵なところだべ?
まんつ、遊びに来てけれな。
 
 ゆるみな。(@yurumina0411)