農家生まれの文学少女。

最近ハマっているものことについて紹介していきます。

秋田の若手イケメン蔵人たちによる日本酒革命のファンファーレ

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「日本酒が苦手だ。」

そう思ったのは東京に来て2年目の春。4月に20歳を迎えた私の成人祝いに、当時働いていたアルバイト先の人達が連れて行ってくれた居酒屋。そこはいかにも大学生が毎晩通いそうな安くて気軽な雰囲気の空間だった。

 

もともとそれほどお酒が強くない私にとって【飲み放題】というのは、ポケモンでいうところの手持ちのポケモン6体全部をコイキングのまま四天王に挑むくらいの難易度できっと誰もがそんな無謀な試みをしようとはしないだろうというくらいの気持ちになるのだ。

 

こんな「まずい」「ぬるい」「うすい」の三拍子揃ったお酒とご飯に2時間で3000円も取られるなんて馬鹿らしい。そう心の中で思っていた学生時代。しかしバイト仲間がせっかく自分のために企画してくれた誕生日会に本人が不参加なんて、チョコバナナのない夏祭りと一緒。※チョコバナナなくても困らないよという人はごめんなさい。

 

そう思い、重い腰を上げて参加した。案の定、出された料理はいつからその定位置で常温に放置されていたのかわからないほど色の悪いお刺身や、しなしなになった揚げ物。これでもかってくらいにかけられたサラダ風味のシーザードレッシング。

 

「今日は奢りだし文句言わないゾ……。」

 

必死に自分に言い聞かせつつ、さっき家で作った自家製のケイクサレに想いを馳せていた。そんな私の気持ちを知ってかしらずか「今日はお祝いだから遠慮なく飲んで食べてな!」と全力の笑顔でもてなしてくれる幹事のバイトリーダーの男の子。接客は一流並だし、この笑顔で対応されたら食事や酒が不味くてもまた来てしまうなあ、と身内ながらに思った。

 

誕生日会は思いの外すごく楽しくて口に入れるもののクオリティーを除けば、最高に幸せな時間だった。心の底から来てよかったなあとも思った。そして人間という生き物はまずい酒でも酔っ払うことはできる。いい感じにお酒が回ってきた頃、飲み放題のメニューの中に日本酒があったことに気づく。好奇心が先行して頼んでみたのが運の尽きだった。

 

「うううuっっっえぇ…!!!まッッッッッッッtズい!!!!!」

 

あまりの衝撃に思わず、普段口にしないように心がけていた汚い言葉を発してしまった。バイトの人たちが一斉にこっちを見て目を丸くし、数秒後に大爆笑が湧き上がる。「だってこれびっくりするくらい美味しくないんだもん!日本酒ってこんなに不味いんだ…私の苦手なお酒、日本酒だわ…」自分の発した言葉に後から恥ずかしさがこみ上げてきて必死に言い訳をする。

 

そこにいたバイト仲間の人たちも私が差し出したおちょこを回し飲んだ後、口々に「ほんとだwこれは不味すぎッw」と共感してくれたのでそこで私の中の「日本酒=苦手なお酒」という等式が成立してしまった。

 

 

あれから2年…。東京に来て4年目の私も今では立派な一人の社会人になった。どうしてもあの時のトラウマのせいで避け続けていた日本酒と向き合う機会が今年の7月に訪れたのだ。

 

もちろんそれまでの間に何度か日本酒を嗜む機会はあったし、飲み放題の時のようなクソマズイと思う日本酒ではなく、それなりに名の知れた日本酒を取り扱うお店で食事をする場面もあった。

 

しかしこれと言って心の底から「美味しい!」と思うものに巡り会うことはなかったし、「また飲みたい!」と感じるものも無かった。それまで日本酒について熱量を持てなかった私が日本酒にはじめて興味を持てるようになったイベントがあったので紹介したいと思う。

 

そのイベントこちらの「〜イケメン蔵人が酒を語る〜浴衣日本酒美女まつり」。

www.facebook.com

 

前置きが大変長くなってしまったが、背景から主観的に描けるというのがブログで紹介することの『味』であり『売り』だと思っているので毎度、暖かい目で流し読み頂けたら嬉しい。

 

 

 秋田出身の美人起業家さんとの出会い

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そもそもこのイベントを知ることができたのは遡ると今から半年前。

 

ラインブログで株式会社HARESの西村創一朗さんという起業家さんがコメント欄で「水野千夏さんに取材したことがある」という言葉から始まった。しかし、この話を始めたら日が暮れ、次の日のお星様がこんばんはする時間までパソコンにかじりつくことになりそうなのでここでは割愛したいと思う。

 

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「半年前から憧れ続けていた水野さんについに会えるかもしれない!日本酒よりも、イケメンよりも、水野千夏さんという一人の起業家の女性に少しでもいいからお会いしてご挨拶したい!あ、でもやっぱりイケメンも気になる!!!」

 

そんな下心満載でこのイベントに参加したのだ。それ故にイベント開始前に水野さんとの念願のツーショット(しかも着物姿)に震えと喜びが止まらずもうそれだけで満足してしまっていた。

 

この時点でイベントの趣旨を履き違えている。

 

ドレスコードの「浴衣」で一足早い夏気分を満喫

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今回のイベントではドレスコードとして「浴衣」でいくということが決められていた。夏祭りなどのイベントがない限り、イマドキ呉服屋の娘でも着る機会の少ない着物。こうやってドレスコードとして指定してもらえると、いつもとは違った自分と出会えるのでドキドキ、ワクワク。

 

 

会場は秋田県秋田駅から徒歩10分くらいのところにある、千秋公園内のあきた文化産業施設『松下』。ここは茶房と酒房、二階には宴会場が併設されている。

 

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タイミングよく、あきた舞妓にも会えた。小柄で可愛らしく、立ち振る舞いも素敵だった。踊りを見ながら美味しいお酒を嗜めるので秋田に来た時はぜひ。わたしも今度、訪れる時は舞妓の宴会の予約しよっと

 

日本酒の知識ゼロで参加した日本酒好きの集う会

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会席が始まるころ、続々と集まる秋田美人な着物姿の女性たち。大学生の方から、着物屋さんを経営する方、スナックのママさんまで色んな色の気を持った女性たちが会場に花を添えた。

 

秋田の三大イケメン蔵人

 

今回、秋田を代表する三つの酒蔵【新政酒造】【秋田酒造】【福禄寿蔵】から各々1名ずつイケメン蔵人さんが、自慢のお酒を持って来てくださった。貴重なものばかりでこの参加費で頂いていいのかと思ってしまうほど。

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秋田市にある新政酒造株式会社の岡住修兵さんは九州の福岡出身の爽やかイケメン。神戸の大学に通っていた頃アルバイトしていた居酒屋で【新政】と出会いその味に惚れて秋田に来たというからツワモノ。南から北へ、行動力が素晴らしい。仕事も趣味も日本酒って愛が深すぎる!好奇心で動くところに親近感湧きました。

 

同じく秋田市にある秋田酒造株式会社の小杉隼輝さんは国際教養大学出身のインテリイケメン。AIUで学んだグローバル感覚で日々、日本酒の研究に努めているみたい。世界で秋田の日本酒を売り込むために日本酒の良さを英語で話せる人材は逸材!趣味が女子力高すぎて結婚したらいい旦那さんになりそう。

 

そして五城目町の福禄寿造株式会社の小玉朋幸さんは、生まれも育ちも五城目町だというちょいワルイケメン。田舎の大自然で育ったその姿は野性的でもあり男気に溢れていた。地元に対する愛をそこはかとなく感じる。趣味が犬と遊ぶことっていうギャップにやられる女の子も少なくないはず!秋田犬と戯れる姿を想像したら微笑ましくなった。

 

3人のイケメンがイチオシの日本酒を2本ずつ持って来て味や特徴を紹介してもらった後、好きなものを好きなだけ瓶が空になるまで飲めるというなんとも贅沢なイベント!

 

夏らしいお酒の肴、おもてなしの心

小料理は運営の方の手作り。夏野菜をコンソメゼリーで和えたものがすごく美味しかった。彩り、味、栄養バランスを意識した目にも口にもそして体にも嬉しい。女性に対するおもてなしの気持ちがその小さなお盆の上に溢れていた。

 

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もちろん甘味も忘れない。

和菓子の優しい見た目は見てるだけでホッとするのはなぜだろう……

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【新政酒造】まるでワイン?高級感あふれるアキタの泡の生酒

すっきり優雅な「NO.6 SS-type」

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シャンパンと同じ製法で作られたというこちらのNO.6シリーズの泡の日本酒。ビジュアルがワインみたいで高級感に溢れてる…。SSってライブ会場でいうところのVIP席みたいなものじゃん…!!頒布会のためだけに作られた貴重すぎる日本酒。

 

純米吟醸規格、タイプSのスパークリングバージョンで、もろみの混和を最小限に抑えて二次発酵させることで最も高い透明感を出すことに成功。味はとても上品で洋梨のような果物のスッキリ感があり、日本酒が苦手なわたしでも飲みやすい印象を受けた。

blog.livedoor.jp

濃ゆくて甘美な「NO.6 G-type」

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2本目は、SS-typeとはうって変わり濃厚で口の中にまとわりつくような甘さを持った超甘口日本酒。「元禄仕込」と言って江戸の元禄時代の作り方を再現。

 

衛生環境の悪い中で雑菌を発生させないための製法だ。仕込み水を限界まで減らすことで糖度をあげ繁殖を防ぐ、そのためできる量は少なく、濃くて甘いお酒ができる。飲むときにお水で割ったりロックで飲んだりすることも…。知らなかった、ゆるみな。はまたひとつ賢くなった!ピコンッ(現在Lv.3)

 

blog.livedoor.jp


ameblo.jp

 

上の二つは頒布会用のため非売品だが他にもNO.6シリーズはたくさんある。是非自分だけのお気に入りの一本を見つけて見ては……?

www.aramasa.jp

 

【秋田酒造】 新たな挑戦をし続けるアキタの先駆酒

甘酸っぱい恋の味「秋田晴れ A(red)」

   引用元秋田晴・A(エース)27BY【秋田の地酒 高良酒屋】 : 秋田の地酒『郷のたより』

 

 若社長と若手酒蔵が生み出した新しい風を吹かせる一本。A(エース)という文字には【Akitabare Another Advance~秋田晴れ これまでとは違う 新たな前進】という思いが込められている。

 

フローラルのような優しい香り。口に入れた瞬間は甘めのデザートのような味なのに酸味がすっきりとお口直しをしてくれるから変な後腐れがない。そのせいで日本酒特有の舌に響く感じがないためお酒に強い人なら水のようにゴクゴクいってしまうんじゃないだろうか…

 

itoken-akita.com

爽やかな快晴の味「秋田晴れ A(skyblue)」

引用元:秋田晴・A SkyBrue(エース スカイブルー)【秋田の地酒 高良酒屋】 : 秋田の地酒『郷のたより』

 

秋田晴れ初の「美郷錦」を使い、「AKITA 雪国酵母」で醸造したエース第二弾。とにかく一本めとは正反対のすっきりとした超辛口を目指したという。マスカットのような香りと舌のピリピリする苦味と酸味。おつまみが進みそうな味だ。

 

このお酒は「もろみ加水」といって発酵中に少量のお水を加え酵母が再稼働できる空間を作ることで再発酵してくれる製法を用いている。どんどん新しいことに挑戦していくアキタの若手に今後も目が離せません!

sakelandakai.com

 

【福禄寿】アキタの高品質田園出身のエリート酒

地元農家との共同合作「一白水成 Premium2017」

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今回のイベントでは2本ずつ持ち寄るという決まりがあったので他の二蔵さんは2種類ずつもってきてくれたのに対し、福禄寿はこの一本で勝負をかけてくださった。これが本当に感動するくらい美味しいのはいうまでもなく作り手の原料であるお米に対する愛がひしひしと伝わってくる…!!!

 

 六年前に地元の農家と一緒に五城目町酒米研究会という組織を作りました。
 蔵のある地域で栽培された酒米でお酒を造ってこそ、真の地酒である、と多くの酒蔵は考えますが、僕もその気持ちを強くしたこともあって、まずは自力で米作りもしようかと考えました。
 しかし、自力となると、立ち上がりは苦労するし、軌道に乗るまで時間がかかる。
 それなら、やはり、餅は餅屋で農家と組む方が得策だと結論付けたのです。現在は9軒の農家と契約していますが、すべての農家が他の農家に栽培を教える立場にある認定農家です。
 当然、みなさん、とてもプライドが高く、栽培が難しい酒米でも自信を持って取り組んでくれます。
 僕らの方もそのことをわきまえていて、収穫が終わるとお米の分析をして優秀な成績を収めた農家には表彰状を送るなどして、農家同士の競争心もくすぐっています。
 現在、栽培してもらっているのは秋田酒こまち、美山錦、美郷錦、吟の精の四種類です。 

 引用元:blogs.yahoo.co.jp

 

一口飲んだ瞬間、私の中の何かが吹っ切れた。

「うっっっっっ%#&”¥@ッッッッッッツ魔あああああああああ〜!」 

 

さすがにあの会場で叫ぶ勇気もなかったので心の中で発狂。いや、この22年間日本酒なんて嫌いだと言っていたのを全力で後悔したくなる美味しさ。今すぐにでも田んぼの前で日本酒の原料となるお米様方に跪いて謝罪会見開きたい。

 

ごめんね、日本酒。本物のあなたに巡り逢う前に嫌いとか戯言を口にしてしまって…これからは全力で愛すよ……。だから嫌いにならないでおくれ…。

 

とても私の口からこの美味しさを伝えきれる自信がない。日本酒の知識とか皆無だしもっと理解した上で発言したいそもそも冷静に話す自信がないので飲んで欲しい。飲んだらわかる。

 

 

おまけ〜乾杯の一杯【出羽鶴酒造】やまとしずく 夏のヤマト

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乾杯の一杯として出されたのは、瓶もデザインも夏らしいフレッシュで口当たりのいい「やまとしずく」。運営の松下酒房さんで用意していただいた乾杯の一本。暑さを忘れさせてくれるような爽やかな日本酒。

 

最近ではこういったインスタ映えしそうな可愛らしくおしゃれなものも増えているみたい。若い女性に人気!こういうところから、日本酒に関心を持ってくれる若い世代が増えていくといいなあ

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www.igeta.jp

 

美味しいお酒を引き立てる杉の香り漂う憩いの場

美味しい日本酒をより堪能するにはやはりその味にどっぷり浸れる「場」があってこそ。イベント会場となった松下酒房は立ち飲みなのに思わず長居してしまうほど居心地のいい空間。杉がリラックス効果を生む、都会の雑踏に気疲れした体を癒してくれた。

https://pbs.twimg.com/media/CovL1ljVMAAqiIv.jpg

life-fun.info

 

 

 

ボクらはきっと、まだ「ホンモノ」を知らない

数多ある日本で古くから作られたお酒。人の数だけ好みはあって最高の一本に出会うのはもしかしたら最高のパートナーに出会うよりも難しいことかもしれない。まだ見ぬ自分好みの日本酒をこれからの人生で出会えるかもしれないと思うとうっかり死ねませんね。

 

イケメン蔵人と日本酒を嗜めるこのイベントはまた開催されるみたいなので気になった方には是非、参加していただきたい!非売品や、高級品、レアな一本に出会えるかもしれません…。何より作り手さんと語り合いながらたしなめるのは何にも代え難い貴重な経験だった。

 

個人的には親子で行くのもまた、いい思い出になるのでオススメ。

秋田舞妓と日本酒を嗜むイベントも期待したい。

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 ゆるみな。(@yurumina0411)