農家生まれの文学少女。

最近ハマっているものことについて紹介していきます。

「何かしたい!」をカタチにする〜秋田の大学生が創る【アキコネ】で人と人との繋がりから見えて来たもの

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「人生の夏休み」と言われる大学生活。授業は単位ギリギリ、バイトもそれなり、サークル活動はもはや飲み会オールが当たり前。これまでの鬱憤を晴らすように毎日飲んで全力で遊び呆ける。でもそれで4年間をなんとなく過ごしてしまったら勿体ない...。

 

ふと我に返り冷静に将来を見据えた時、「自分はどんな人間になりたいのか」「どんな生活をして、何歳までに結婚し、何をしたいのか」というのがわからないと大学という安全地帯から解き放たれた時、道に迷ってしまうかもしれません。

 

「何かしたいけど、何をしたらいいんだろう。」

 

今回取材したのは、そんな秋田の大学生の想いから生まれた自分の「やりたい」を見つけ、後押ししてくれる人と出会える「アキコネ」というイベントです。

 

 

 

秋田の学生を繋げる、アキコネとは?

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秋田大学4年生の澤口くんの声を発端に、県内6大学の学生と社会人が『秋田に溢れる面白くて素敵な人や仕事を若い人たちに知ってもらいたい!』という想いを持ってイベントを企画、運営する団体です。

 

今回は第二回の開催ということで見逃しては置けず、イベントのために秋田まで足を運びました!会場は秋田駅東口アルヴェの一階。前日から準備に奮闘していた秋田の若い人たちを見て気が引き締まりました。

 

ご縁があるように願いを込め入場料は「5円」

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早速イベント会場に到着し、入場料を払いに受付に行きました。これだけの規模なら千円くらいかかるかなあと思っていたらなんと「5円」。

 

「ちょっとお賽銭あげて運気をあげようかな」とか「コンビニでお釣りもらったから募金箱に入れよう」とかそういうノリで参加できちゃうお手軽さ。受験・就活・人生の進路で悩んでるなら、神頼みするよりも10000%こっち来た方が解決の糸口を見出せるじゃんと思いました。

 

なぜこんな料金で運営できるのか主催者の澤口さんに話を伺ったところ、

県内の複数の企業関係者さんたちに、協賛を募ったところ快く受け入れ、ご支援してくださいました。」

 

 ということでした。秋田の若者の想いに力を貸してくれる、企業の姿勢に心がほっと温かくなりました。

 

※支援してくださった企業一覧

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ご支援、 ありがとうございました。

 

人と人が繋がる空間にある3つの「F」

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今年のアキコネは3つの「F」がテーマになっていました。その3つというのは「FOOD」「FRIENDS」「FUN」。テーマごとにコンテンツが各々のブースで催されていてわかりやすかったです。感想を交えながら3つのテーマごとにご紹介して行きたいと思います。

 

【FOOD】秋田の食・酒を若者から

1.食を通して、ザンビアに診療所を建てる

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 最初にご紹介するのは、秋田県産の豚ロースとザンビア料理でよく使われる豆とトマトを煮込んだソースを使ったザンビア丼」ザンビアお好み焼き」。お米はもちろん「あきたこまち」です。お好み焼きも生地から手作りということで、出店者の方たちの熱量が伝わって来ました。

 

このお店を出店した方々は、マケニ村診療所建設の支援を通じてザンビアと日本を繋げる「ザンビア・ブリッジ企画」という活動をしているとのこと。

 

IFMSAKT (@ifmsa_akita) | Twitter

 

秋田の医学生が主体でやってるこの活動。なんと現地には自費で行ってるみたいです。

ボランティアという言葉があまり好きじゃなくて、友達が困ってるからちょっと助けに行くというスタンスでありたい

と語る医学生。その心持ちに目頭が熱くなりました。

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ここで得た収益は、ザンビアでの診療所建設のために使われ、食べるだけで国際強力にコネクトできるという二度美味しい企画でした。

 

2.【秋田が誇る日本酒】×【秋田の学生】

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次に訪れたのは 、秋田市内にある酒造から取り寄せた「日本酒」と「醸し汁」を提供する、醸しBar。秋田美女3人と、職人気質なワイルドな男性が迎えてくれました。

 

今回用意して頂いたのは、

 

1.「純米大吟醸 高清水」 2.「純米吟醸 竜乃涙」 3.「特別純米生原酒 かもっ酒。」 

http://www.takashimizu.co.jp/img/products/2016jdg720.jpg       http://www.mohachi.net/images/naba/ryunami-jyungin-n.gif      http://itoken-akita.com/wp-content/uploads/2017/05/IMG_1809-e1496197491837.jpg

 

  4.「純米吟醸 ゆきの美人」    5.「純米吟醸 究」

http://www.oanastar.com/P-yukinobijin-gin-natuginjyou720.jpg     http://livedoor.blogimg.jp/sakeakmt/imgs/b/e/bec018aa-s.jpg 

 

の5つ。その中でも、特に注目したのが国内でも有名な【新政】秋田県立大学との産学協同開発酒「究(きわむ)」。お米作りから共同で行ったみたいです。

 

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辛口の日本酒が苦手な私でもすすっと飲めちゃいました。アルコール臭さが少ないので調子に乗って飲みすぎると酔っ払う危ないやつですね…。女子大生の皆さん、これをグイグイ勧めてくる男の子には気をつけてください。笑

 

たった200円でおちょこいっぱいまで注いでくれて、「やばい!溢れる!」なんてアタフタしながら飲んだ一口目は至高。お酒を注いだおちょこは、記念品として持ち帰れます。

 

 

 

【FRIENDS】学生団体の人たちとの交流

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 アキコネでは6大学の中でやりたいことを能動的に活動している生徒たちから話を聞くことができました。その中でも特に印象に残ったエピソードをご紹介しちゃいます。

 

 

 

 1.バスケで秋田を元気に。秋田美人なハピネッツガール

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秋田といえば能代工業高校の男子バスケットボール部が一世を風靡したことで「バスケのまち」という印象を持つ方もいるのではないでしょうか。

 

座敷の中でやたらと目立つピンクの仮面を被った怪しいヒーローもどきのヒーローがいるなあと思っていたら、秋田ノーザンハピネッツを応援する大学公認の団体の方でした。

H(ハピネッツ)O(応援) S(しようよ)P(プロジェクト)、略してホスプ

 

 

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northern-happinets.com

 

2.カンボジアの人々をハッピーアイスで笑顔に

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「あの、よかったら僕たちのお話聞きに来ませんか?」

 

どこに行こうか迷っていた私に声をかけてくれた一人の明るい髪色の男子大学生。第一印象は「バンド組んでそう」。しかし彼はその容姿からは想像がつかない(失礼)NPOのボランティア活動をしているというのだからちょっと面白そうだなと思って話を聞きに行ってみました。(好奇心に勝るものはないです)

 

秋田県の人は、県民性なのかどちらかというと引っ込み思案で消極的な人が多いんですよね。やってることは素晴らしいのにそれを周りに主張しません。「謙虚で素晴らしい」という人もいるかもしれませんが、私からしたらすごく「もったいない」という気持ちになってしまいます……。

 

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その活動を広めたいなら、想いは伝えるべきだし自分の成し遂げてきたことには誇りを持つべきだもの。だから彼が自分から積極的に声をかける姿に感心したし、

レジの横にある募金箱にただなんとなくお金を入れる偽善行為が自分の中でどうも腑に落ちなくて実際に現地を見て人と交流することで意味のある貢献になる気がして参入したんです。

Ariga👣FootPrints (@grrrento) | Twitter

という言葉にも説得力がありました。

 

ブログも始めたみたいなので今後の活躍に注目ですね!

秋田の大学生にもどんどんブログ文化を根付かせてもらいたい!

 

そんな彼が活動するAKITA CAMPUS NETは、秋田の名物であるババヘラに見立てたハッピーアイスを作ってカンボジアで配布しているようなんです。

 

ババヘラがわからない方はこちらのブログを参考にしてください。

www.hotpepper.jp

 

3.『想い』から丹精込めて育てる。農耕型スタートアップ!?

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今回、数ある中で最も興味深かったのがこちらのブース!

 

田舎や地方ではあまり馴染みのない「起業・独立」に関して秋田県内に居住している10〜20代の若者を無償でバックアップしてくださるこちらの活動。従来のスタートアップ(起業)セミナーなどのカリキュラムを「狩猟型」と名付け、それと対比させて新しい形として「農耕型」と名付けているところもなかなか面白いですよね。

 

なんとこの「おこめつ部」のサポート体制は素晴らしく、30分間フィットネスで有名なカーブスを設立した山口高弘さんや、株式会社ハバタクの丑田俊輔さんをはじめとする今をときめく起業家の方たちがいます。

 

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去年から始まった活動のためまだ一期生しかいませんが、現在第二期生を募集中ということなので「なんとなく起業に興味のある方」「秋田に残りたいけどやりたい仕事が秋田にないと思っている方」は是非一度問い合わせてみてくださいね!

 

主催が秋田県なので胡散臭い団体でもないし、東京だとこのようなセミナーはすごいお金取られることも多いので【無償】っていうのは魅力的すぎます……。

 

こちらの活動は個人的に一番面白いなあと思って興味をそそられたので改めて詳しい記事書かせていただきたいです。もっと詳しいお話聞きたい。

 

【FUN】秋田人による新しい取り組み

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今回のイベントでは企業の方もブースを設けてPRに来てくれていました。その中で特に面白いなあと思った取り組みがあったのでご紹介したいと思います。また、元あきた観光レディの大学5年生(医学科)【くりまりさん】が結成した競技ダンス部の方によるダンスも見ものでした。

 

1.田舎暮らし体験と運転免許ゲットで一石二鳥!?

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秋田県にある太平自動車学校では、近年新しい試みとして「シェアビレッジ」を使った運転免許合宿を行っています。「シェアビレッジ」というのは五城目町という地域にある古民家をリノベーションして作られた建物のこと。

 

詳しくはホームページかその下に乗せた記事をご覧ください。

sharevillage.jp

machinokoto.net

 

コンセプトは「非日常なる合宿免許」。

約3週間かけて、秋田の郷土料理作り体験や農業体験、朝市に映画のロケ地や温泉巡りなどが楽しめます。毎日通い続けるのって学校や仕事に行くみたいで気が重かったり、免許合宿は泊まりだけど他にすることもなかったり…。自動車学校は通ってる途中に辞めてしまった人も少なくないみたいです。

 

どうせやるなら楽しくって素敵な思い出に残る免許合宿はいかがでしょうか。

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八郎潟太平自動車学校×シェアビレッジ

 

2.会場を沸かせた秋田の大学生によるダンスパフォーマンス

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イベントもいよいよ終盤に差し迫った頃、会場に鳴り響く音楽とともに会場を沸かせたのは創立1年目にして大会で好成績を残す秋田大学競技ダンス部によるダンスパフォーマンス!!

 

 

 

秋田大学競技ダンス部 (@akitadancesport) | Twitter

 

この日の衣装はイベント用に用意された軽装ですが本番はもっと華やかなテーマに沿った衣装を用意するんだとか。競技ダンスは逢の角度とか骨盤の反り具合など採点基準があるみたいなのですが素人から見たらなかなか勝敗が判断しにくそう。

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社交の場で踊られていたダンスがまさか競技になって世間を沸かせているなんてきっと中世ヨーロッパの人たちは思ってもいなかったでしょうね。遊び感覚でやっていたダンスが競技になって人々の心を震わす何かになったりするのと同じように、趣味や好きなことが気づいたら仕事になっていたということもあるんだと思います。

 

アキコネを通して学んだ3つの「F」

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このイベントを通して、学んだことを3つにまとめてみました。

【Follow】助け合いのこころ。

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今回私は、運営者側としてはじめに声をかけていただきました。ですが、執筆活動などでほとんど協力ができず結局本番はお客さん目線で参加させて頂くことに。事前準備もまともにしてない中、アポも何も取らずに突撃取材したようなものなのにここまでたくさんの素敵な出会いができたのはイベント内で頻繁に行われた「口コミ」のおかげだと思っています。

 

最初に話しかけてくれた大学生の一人の男の子から始まり、起業活動、古民家免許合宿、日本酒…。「次に行く場所を決めていなくて戸惑っていた私を導いてくれたのは決まってそこにいる【人】だったのです。会場にいる【人】の助け(Follow)によって私は生かされているんだなと感じました。

 

Flat】対等なこころ。

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このイベントのいいところは畳でお座敷にして円卓を囲うことによって自然とみんなの顔が見える、端がないから疎外感も感じず平ら(Flat)でその輪の中の一員なんだなあという実感が生まれること。江戸時代、一揆の時に誰がリーダーかわからなくするために円形に名前を並べたという傘連判状。円卓にもどうやら同じ効果があるのかもしれません。

 

企業、大学、社会人、学生、男、女、若者、お年寄り、子供、大人…。

 

挙げたらきりがないくらいこのセカイにはレッテルがたくさん貼り付けられているけれどそれら全部剥がしてビリビリに破いたら結局、ひとはひとでしかなくて。私よりもはるかに年上の社会人の方が「垣根なく話せる機会を設けてもらえたのはありがたいことだ。」と言っていたことがとても印象に残っています。

 

【Footwork】行動するこころ。

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この日の天気は決して良いとは言い難い不安定な天候でした。かろうじて土砂降りではなかったものの、予報では雨と言われていたくらいぐらついた天気で降ったり止んだり。この会場に足を運んだ方は、少なくとも雨に打たれる可能性を感じながらもイベントに興味をもってきてくれた人たち。

 

「行ってみたい」という気持ちを行動に移してくれたことがイベントを主催するにあたって一番のやりがいや達成感につながりますよね。…せっかく足を運んでくれても楽しんでくれなかったら意味がない?もちろん、そうです。

 

でもその悩みはきてくれた人たちのこの表情、

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アキコネ運営者たちのこの笑顔と達成感に満ちた表情、

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で十分伝わると思います!!!!!

 

終わりに

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 人口減少、若者離れ、少子高齢化……。様々な問題を抱える中で、これだけの若者が秋田のために積極的に活動していることを肌で実感できて涙がこみ上げてきました。また、若い世代を支える上の世代の方の優しさや寛容な姿勢にも心打たれました。

 

生まれも育ちも秋田ではないのに、とあるきっかけで秋田を好きになってくれて移住した人が意外にも多くて18年間秋田で生きてきた私よりも秋田について詳しいんじゃないかと思うほどでした。

 

ここまで読んでくださってありがとうございます。一人でも多くの人に秋田の魅力を伝えられるようにこれからも発信し続けていけたらいいなと思っております。今回参加できなかった方も来年はぜひ、来てたんせ〜!

 

主催者

Shunsuke Sawaguchi

澤口駿亮|ぐっち@アキコネ代表 (@guchiguchi1182) on Twitter

 

画像に含まれている可能性があるもの:1人、スマイル、自転車、屋外

工藤 成仁

なる@Ms.アキコネ (@akita_bicycle) on Twitter

 

写真提供者

https://pbs.twimg.com/profile_images/796356660428087296/UpnyttYX_400x400.jpg 

遠藤 大暉

えんどれ@📷📷🐧🐧 (@endore04) on Twitter

 

 デザイン制作担当

画像に含まれている可能性があるもの:1人、スマイル、立ってる、室内

城 智史

じょえ (@yamasiro1109) on Twitter

 

 書いた人 ゆるみな。 (@yurumina0411) on Twitter

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